広い空の片隅で。

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戸惑いの惑星に戸惑った話

ちょうど1年前にメモして、メモしたまま放置してしまっていたものを公開しておこうと思います。何も触ってないから間違ってたり変な内容になっているかも。




『戸惑いの惑星』

2/6 19:00 公演 1階O列

2/7 14:00 公演 2階B列

 

***

 

~物語&メモ~

 

・はじまり

始まったとたん、颯爽と出てくる3人。ふつうに出てきすぎて驚く間もない。

観劇時の注意事項を順繰りに説明。話している途中で小道具運び屋さん(何て言えば…?)が目の前を遮る・ケツをぶつけてくるなど邪魔をする。

とつぜん、演奏屋さんが現れ、イノハラくんに手紙を渡して不惑をピアニカし始める。

『最近戸惑ったこと』というお題が書かれており、話し始める3人。

ながのくん→夜空の星に戸惑う。天の川の端から端まですごい距離がある。光でも相当。ビッグバンで生まれた宇宙の外側はどうなってるのかとか考える。星はひとりひとりとつながっていて死んだらその星になるとかいう話があってどれが自分の星なんだろうとか。

さかもとくん→占いに戸惑う。すきだけど。(イノハラくん「昔パルコの地下で占ってもらってたじゃん」)運命は自分で切り開きたいのに当てられると自分の意思で動いてないように感じる(占いしなきゃいいじゃんに駄々こねるさかもとくんくそかわ)。

イノハラくん→小さいころ考えごとをしていたらいつの間にか無意識に自分の家にたどり着いてて戸惑った。無意識にディズニーに行ってたことも。ディズニーに『クラブ33』という特別な場所があって唯一お酒が飲めるところなんだけど、そこにトイレがあってドアを開けたら最初は真の闇なのに目を凝らすと夜空がある。月も黄色じゃなくて銀色の。実はそれは水面で、水に夜空が映ってた。まあ夢なんだけど。そこのスタッフはみんなミッキーで、ぼくは「ミッキーは世界に1人だけなのにこんなにいたらおかしい」と言うとミッキーは「じゃあイノッチは世界に1人って言い切れるのか」と聞いてきたので、「おれは1人だ」と言った。(さかもとくんとながのくん「言い切っちゃダメだろ」)なんで?(さかもとくんとながのくん「だっておれもイノッチだもん」さかもとくんは祈ることがすき→いのりっち→イノッチ(だっけ?)、ながのくんは猪突猛進なタイプ→イノシシ→イノッチ)

 

ふたりにハセッチと呼ばれるイノハラくん。「もはや井ノ原じゃなくなってるよ」

「…おれは誰だ?」

 

 

・物語へ

イノハラくんが長谷川くん、ながのくんが由利くん、さかもとくんが三池くん。 

長谷川が自分のことを忘れてしまう病気『人格喪失症』にかかっている(自分のことが思い出せなくてぽかんな長谷川、1回1回ベッドにかかった名前プレートを確認して話す長谷川がしょっぱなから観ていてつらい)。見舞いに来てる由利と三池。彼らは別に友だちってわけじゃなくて、たまたま高校が一緒な関係。だけど話したことがなくて顔はわかるかわからないかぐらいだった。

なぜそんな3人がこうして会っているのか。

彼らは彼らのもとに届いたメール(結局このメールはどんなだったのだろうね…)によりスタジオ33に集められた。そこでそれぞれがだれなのか把握。三池は下の名前がランジロウだからあだ名がミケランジェロだよ!って言う(かわいい)。

メールが気になって来たが、送り主は誰か分からずじまい。その場所に積み重ねられた段ボールの中に三池はトロンボーン、由利はホルン、長谷川はコルネットを見つける。あと楽譜も。曲を吹く(最初長谷川以外吹かなくて「なんで?!」ってなったりせーのっていうか言わないかワタワタするところかわいい)(それより楽器練習したのすごい)(学芸会観てる気分だった…かわいい)と、全員がなぜかその曲を知っていた。

【舞台用新曲】

 


・長谷川くん小説発見

入院している長谷川の病室前椅子。由利と三池がいる。由利が長谷川の病室から長谷川が書いた小説を持ってくる。長谷川が小説家になりたかったことを母づてに聞いていたらしい。三池は由利の母がユリ・ゲラーのようにスプーンを曲げられる超能力者(由利ママw)で有名人だったことを由利に確認するが、なぜか微妙な反応の由利。長谷川の小説の話に戻り、ふたりとも読むのを躊躇する好奇心が勝ち、その『迷いの病の世迷言』を読み始める。

 

 

・長谷川くんが小説家になろうとした話

長谷川は小学生のころ、同級生(演・由利と三池)が嫌がる作文を書くときわくわくした。先生(演・由利と三池)からなんの気もなく小説家になれと言われ小説家を目指す。何をすればいいのかわからなくて友だち(演・由利と三池)に尋ねると、出版社に持ち込めばよいと言われる。出版社に持ち込むとあまり反応が良くない。出版社社員(演・三池)にどっかの誰か有名な作家?が127回持ち込んで出した本が3日で売り切ったという話を聞き、127回目まではがんばろうと決める。だが、10年後に出版社社員(演・由利)(忙しいなこの人たち)から「この本は小説ではない」と言われ、手紙代筆業をすすめられる長谷川。

 

 

・三池が道で絵を描いている

手紙代筆業の店に向かう途中、三池と出会う。三池は自分の絵では稼げないのでバイト、というなの修行として道で人の似顔絵を描いていた。白黒1,000円、色付き3,000円。似顔絵なのにその人に対するインスピレーションで絵を描く三池は、阿修羅の顔を描きときどき客に怒られた。逆にそのテイストがおもしろいと喜ばれることもあった。

長谷川に完成した絵や描きかけの絵を見せてほしいと頼まれるが、何も描けていないことがばれ、自分に憤る三池。一方、長谷川がたくさん作品を書いていることに感心する三池だが、長谷川は本にはなっていないのだと自嘲。三池が127回出版社に持ち込んだ人の話をすると、長谷川は今日がその127回目だった、本を書くのをやめ手紙代筆業をやると話す。

しかし三池は、それは一種のゴーストライターで他人の言葉を書いていると自分が世界からなくなってしまうからやめたほうがよいと否定する。そうした研究をしている人間に最近会ったらしい。

 

 

・研究者に呼び出され能力があるってなる

三池はとつぜん研究者の由利に呼び出され、自分の絵が人の人生を左右するものだと言われる(なにか飲むか聞いたときに爽健美茶十六茶、おーいお茶とかしかないのめっちゃおもしろいね)。絵を描いてもらった人が、みな事業を成功させているのだ。由利はその能力を調べたいと依頼するが、三池はそんなもののために描いているのではないと拒否する。

研究を断られた由利。研究室に教授(演・長谷川)が現れ、研究予算が取れなかったと告げられる。超心理学(?)はもう誰も信じなくなっていてスマホの研究に使われる量子学などのほうにお金がかけられている。時代は変わっているのだ。教授から「なぜ研究室をやめないのか」と問われる由利は、2つの理由を述べる。ひとつは音楽をやっている妹が応援してくれていること。もうひとつは母親がスプーンを曲げるところを見たことだ。

不惑

 

  

・この話ほんとにあったことだぞ?ってなる

現実の病室にいるふたりに戻る。長谷川の小説を読む由利は、この教授との会話は実際にあったことで、スマホの件が一言一句間違っていないと驚く。三池にも事実ではないかと確認をするが、三池は「長谷川は誰かから聞いたのでは」と戸惑いを隠せない。ただ、それぞれの話は事実だったものの、ふたりが出会ったという点だけが事実ではない。そのまま小説を読み続けるふたり。

 

 

・手紙代筆業の長谷川くん

手紙代筆は、親や上司へのかしこまった手紙などが多かった。つらいのは抗議の手紙。書く前には相手のことを知らなければいけないのでプライバシーに踏み込む必要もあった。とある女性客(演・由利)は夫に黙っていた何らかの事実を告げるために代筆を頼んできたが、書き出しに『嘘』や『隠す』と言った言葉を使いたくないらしく、かなり翻弄された(由利の女性役のクオリティ)(ボブかわいい)うえに、キャンセルされる。また、他にもヤクザ(演・三池)から果し状を書いてほしいなど(前略w)(無理難題言われてうぅ~って呻く長谷川のかわいさったらない…!かわいすぎるつらい)があった。

そんな中、ひとりの女性が現れる。それは長谷川が昔愛した女性だった。彼女に、愛する人に手紙を書きたいと依頼される。

【オレじゃなきゃ、キミじゃなきゃ】

 

 

・のんだくれ三池くん

三池は、バーのカウンターに座ってべろべろに酔っ払っている。そこに由利が現れ席を移動しようとするが、三池が引き止め、自分は絵が書けなくなったのだと告げる。バーテンダー(演・長谷川)もいる。

 

 

・彼女の話

由利の話していた三池の絵の能力はホンモノで、三池に絵を描いてもらい金持ちになった男がポケットに札束をねじこんできた。どう使えばいいのかわからない三池は、このバーで酒を飲んでいた。そこに置いてあったトロンボーンを吹く。すると、そこに女性が現れ恋に堕ちる。

【Sing!】

(音楽にあわせて揺れる由利長谷川かわいい!)

幸せな日々を送っていたが、ある日魔が差して彼女の絵を描きたくなり、了解を得て描くとそれを見た彼女は驚いた表情になった。もう一度描くと、目から氷のような涙を流して去って行ってしまった。後に手紙が届き、自分は記憶喪失になっていて、三池の絵を見て記憶が戻ったこと、今までの自分の人生に三池はおらず、元の人生を歩みたいという内容が書かれていた。それ以来絵が描けなくなった三池。研究してもムダだと笑う三池に、由利は自分も仕事をやめようとしていることを告げる。


・仕事辞める話と、妹のこと

教授(演・長谷川)と研究室。 仕事をやめることになったのは、妹が病気で亡くなったから。妹は病気になっていたことを隠しており、それは突然の死であった。教授は応援してくれた妹のためにも続けるべきではないかと諭したが、もうひとつの理由である母親(演・三池)(おっぱい…)(ごめんね?w)のスプーン曲げは実は嘘で、テーブルで曲げただけだったと発覚していた。由利「人生は悲劇ですか、それとも喜劇ですか?」

最後に由利は、教授に妹の机の中に宛名のない封のしてある封筒を見つけたことを報告しどうすればよいのか尋ねる。教授は「そういう手紙は永遠に誰の目にも触れられないかわたしたちの思いもしない形で相手に届く」と微笑む。


・ここはどこだ

現実のふたりに戻る。由利は、この本はおかしい、これは昨日の話だと三池に告げる。三池も彼女の手紙の内容がまったく一緒だと言う(※だから三池が由利に母親の話をしたときに微妙な反応だった)。その証拠に由利に手紙の内容を伝える際に手紙を代読したバーのマスターを呼ぼうとする。だが、マスターが見つからない。

とつぜん、由利「ここはどこだ?」「おれたちはどこにいる?」。由利はこのバーに来たことがないと言う。三池はここで由利と話したというがそれは長谷川の小説の中の話である。完全に混乱する三池。

三池にバーの名前を尋ねると『ジャズクラブ33』だと言う。ふと、目の前にトイレのドアがあることに気づき由利は三池に開けるよう指示する。扉を開くとそこからはまばゆいほどの光と大きな音があふれた。他の出口を探すが見つからず、由利はおそらくそこが唯一の出口だと言う。


・宇宙の外

もう一度扉を開くとそこには違う光景が広がっている。三池は驚くが、由利はその光景を見ることなくゆっくりと扉の中の様子を言い当てていく。広がる夜空が。黄色ではなく銀色の月。実はそれは水面で、水に夜空が映っていること。由利は、この話を誰かが話していなかったかと疑問を抱く(※冒頭のイノハラくんの戸惑う話)。水面が立っていることに驚く三池に、由利は「おれたちはビッグバンで生まれた宇宙の外にいるんだ(※冒頭のながのくんの戸惑う話)」と衝撃の仮説を告げる。

 

 

・扉の向こう

由利は自分たちが長谷川の小説の中にいると仮説を立てる。なぜなら手に持っている長谷川の小説の文字が消えており、長谷川の小説の中に長谷川の小説が存在するという矛盾が生まれていると言う。由利はさらに仮説を続ける。『集合的無意識』というものがある。例えば人間は無意識にいろいろなことをしているが、ユングはその人間の無意識の全部が集まるところがあると提唱しており、それを『集合的無意識』と言う。小説家が「アイデアが降りてきた」というのがこれにあたる。自分たちはその集合的無意識で長谷川とつながっているのではないだろうか。

宝くじを当てた人間は自分が宝くじを当てるイメージができたという。それを活用し由利は三池に「自分たちは扉を開けると元の世界に戻ることができる」とイメージして扉を開けるよう指示する。トイレのドアを開けると、光と音の中から長谷川が出てくる。

【ちぎれた翼】

 

 

・オルゴールと手紙

長谷川がいなくなり、そこにはオルゴールと手紙が残る。オルゴールを開くとあの曲が流れる。手紙は長谷川からのものだった。長谷川はここまできたふたりへの感謝と自分がおそらく何者か分からなくなっているだろうということを書いていた。

 

 

・彼女の正体

手紙にはさらに、自分が手紙代筆をやっていると相手が自分の中を通り過ぎて自分がなくなっているような気がすること、それは今の病気に無関係ではないこと、手紙代筆をやめようと思ったことが書かれていた。だが、そんなことを考えているときに彼女がやってきて仕事を依頼された。彼女は病気で死ぬから、愛する人にそのことを悟られないように相手の人生からいなくなりたいので手紙を書いてほしいと依頼してきた。長谷川は彼女をまだ愛しており、その依頼を引き受ける(※彼女=長谷川の愛する人=三池がバーで出会った人=由利の妹)。彼女を記憶喪失に仕立て上げ、手紙を書いた。

「そういう手紙は、思いもしない形で相手に届く」。由利は妹が机に残していた手紙を三池に渡す。

手紙には、学生の頃に3年の先輩(三池)をすきになり、彼を思って作った曲を文化祭で演奏したこと、彼が楽譜を手に入れてくれたこと(※三池が曲を知っていた理由)(※長谷川も彼女を愛していたから曲を手に入れていたという仮説)(※由利は妹に聞かされていた)が書かれていた。だが、彼女は想いを告げなかった。病気を申告され途方に暮れている中、その曲は地下のバーから聞こえてきた。扉を開けるとそこには愛する人がいた。三池と過ごした時間は彼女の人生で1番幸せな時間だった。だが、三池に似顔絵を描いてもらったことで状況は一変する。三池に阿修羅の似顔絵を描かれた人間が死んだことを知っており、自分も阿修羅の絵を描かれて死ぬことを思い出した。この人の世界にいてはいけないと思いあの手紙を書いてもらった(この間の長谷川の後ろ姿がせつなすぎて…) 三池と彼女が出会ったときに運命は変わったのだ(※冒頭のさかもとくんの戸惑う話)。出会うはずのないふたりが出会ったのだ。真の芸術と向き合うのは難しいことだが逃げずに向き合ってほしい。手紙を読んだ三池は泣き崩れる。

【days -tears of the world-】

 

 

・彼らにとってのふつうへ

ベッドの上、長谷川が座っている。三池がやってきてお互い変な夢を見ていた話をする。しばらくすると由利もやってきて夢の話をするが、それは集団催眠だという。そんなふたりを見ながら長谷川はとつぜん「ふたりともぼくの夢に出てきたでしょ、ふたりとも知っている」と告げる。由利と三池は目を合わせる。由利はこれを証明すると告げ、辞表を撤回し研究に戻ったと微笑む。三池もまた、絵を描き始めたことを告白。長谷川の絵を描かせてほしいとお願いする。了承する長谷川。

長谷川「ぼく前に描いてもらった?」三池「それはほんとうに気のせいだ」長谷川「じゃああれはぼくじゃなかったのかな」

「おかしいね、自分のことは覚えてないのにふたりのことを知っている」(わたしが1番ぐっときた言葉…)。長谷川の絵を描く三池。由利が覗き見て何か言おうとするが三池「自由が失われる」と遮る。完成した絵を見て、長谷川「これが、僕だ」。

【舞台用新曲】

 

 

・カテコ

Dahlia

かわいい。なんかもうよく分かんなく泣ける。

最後にトーク。中日が過ぎて年末もすぐだねって言うイノハラくん。即座にながのくんつっこみ。ここのトーク長くなる。ニュー大久保。宣伝部長。

 

 

~気づき~

○何かと立ち位置がトライアングル。これはすごい。

○最後の

 長谷川「ぼく前に描いてもらった?」

 三池「それはほんとうに気のせいだ」

 長谷川「じゃああれはぼくじゃなかったのかな」

 →会報でさかもとくんがイノハラくんの似顔絵描いたやつでは…( ; ; )?

 

 

~衣装~

・さかもとくん

ブルーのぴっちりしたかんじ。スーツ?

・ながのくん

ベージュのぴっちりしたかんじ。スーツ?

ベージュすきだなぁ。

・イノハラくん

ホワイト。シャツが長くてパンツはベージュ?

パンツの股の部分がゆるいデザインなのか、あまっててかわいかった。

 

 

~感想~

すごく戸惑わされた。いつの間にかトニセンの3人から作品の中に引き込まれていて、その中でもちょっとトニセンを引きずっていて。作品の中ではそれぞれ役名があってその人の人生を生きているのに、どこかそれぞれの"ほんとうの自分"が残っているようで。境のない、言うなれば4/5フィクションを見せつけられた感覚。

3人をきちんと知っているG2さんだからこそ、まったくこの人たちがそろわないとこの作品はぜったいにできなかっただろうなって思い知らされるものを作ってもらって。すばらしいとただそれだけだった。

今までに発表された歌の歌詞たちがあれほどに物語を惹き立てている姿も、また新しい形で生まれ変わったかんじを与えられた。

 

上記した長谷川くんの言葉「じゃああれはぼくじゃなかったのかな」がさかもとくんがイノハラくんの似顔絵を描いた事実ってところに繋がるんじゃ?ってのは、それを聞いた瞬間突然にぱっとその予想が出てきて、ただもしそれが当たっていたらそんな細かいとこまで組み込まれた作品ってそれすごすぎないか……と鳥肌が立ったし震えた。でも考えれば考えるほどそうじゃないかってところから抜け出せない。

 

観ている間も戸惑わされたし、しばらく戸惑いそうです。